不良ちっくLover
資料室とは名ばかりのようで、ほとんど使われる事のない空き教室のようだった。
「入って」
リュウ君は私を中に入れると鍵を掛けて、私を窓際の日当たりの良いとこまで連れて来た。
私の目をジッと見詰めると…、
「ごめんな」
本当にすまなそうな顔になり、私が頷くと安心したのか表情が緩み私を優しく抱き寄せた。
「本当にごめん。オレのせいであんな危ない目に合わせてごめんな」
「ううん」
私は顔を横に振りながら、リュウ君の背中にそっと手を回した。
「オレな。自信が無かったんだ。ユウみたいな子にオレが合うのか分からなくて。自信がなくて」
頭の上から静かな声が聞こえて来た。
「私も自信が無かったよ。リュウ君に好かれているのか不安だった。何も言ってくれないから不安だった」
「ごめん」
「ねぇ。話して。リュウ君の事もっと知りたい」
「ありがとう」
リュウ君は私をぎゅっと強く抱き締めた。
リュウ君の腕の中は暖かいね。安心するよ。