不良ちっくLover
リュウ君は私を抱き締めたまま、静かに話し始めた。
「オレな。実はちゃんと女と付き合うの初めてなんだ。ユウの事、本当に好きなのに、周りの女どもに酷い事言われてるのに、何て声掛けていいのか分からなくて。
そう悶々としている間に、ユウの表情はどんどん固くなって行くのに、どうしても素直に動けない自分が情けなくて。
マサに慰められてるの見たら、もう自信がなくなって。オレじゃなくて、マサみたいなヤツの方が似合うんじゃないかって…。
あの日、ユウに「私の事好き?」て聞かれて、大好きなのに素直に言えなかった。オレってバカだよな。
こんなオレでもいいのか?」
不良なのに、強いのに、いつもは目力がすごいのに、今は子犬のようにシュンとしてて、私しか見れないその表情がすごく愛おしく見えた。
「いいに決まってるでしょ。大好きだよ。ねぇ、キスして?」
私は顔を上げてリュウ君を見上げると背伸びして首に手を回した。