不良ちっくLover
先生に日誌を届けると、「お前らだけにやらせて本当にすまないな」と頭を掻いた。
「仕方がないですよ」
私たち、一般人がやらないと、誰もやらないしね。
私は申し訳なさそうにしてる担任に曖昧な笑顔を見せて、その場をあとにした。
それにしても、リュウ君と目があうなんて。彼が笑うなんて、意外だったな。
さっきのあの顔を思い出すと、ちょっと胸がドキッとした。
彼が気になる?
イヤ~、ないない。
頭が意識的に否定する。
だって、彼は不良中の不良だって噂だし。私とは住む世界が違う。ありえないよ。
珍しくリュウ君が笑ったから、ちょっと気になっただけだよね。
ちょっとばかり、そわそわする気持ちを気のせいだと片付けてみた。