恋涙メモリーズ
恋涙メモリーズ
「柚夏、またお前リボン」
卒業前日。今日は予行練習の日だ。
体育館に入場する前、いつものように隼人があたしの首元のリボンに手を伸ばす。
自分で結ぶタイプの赤いリボンを、あたしはいつも上手に結べていなくて、隼人に結んでもらっていた。
まあリボンをはじめとして、掛け違えたカーディガンのボタン、変に立っているブレザーの襟などなど、
ありとあらゆるところを正してもらってるんだけど。