好きって言って?
第一章
高校一年生
暖かい春の日差しに包まれて
きれいなピンク色をした桜の花びらが舞う。
門をくぐる。
「…入学おめでとうございまーす。
新入生はクラスを見て教室に行ってくださーい。」
上級生からパンフレットを受け取り、掲示板へと向かう。
黒崎美亜…黒崎美亜…あった。2組だ。
黒崎 美亜。今日から高校生です。
さっきもらったパンフレットを見ながら1-2へと
足を進める。
ドアの前で深く深呼吸をしてゆっくりとドアを開けた。
クラスに数人いた生徒が一瞬こちらを見る。
しかし皆、またすぐに視線を戻した。
黒板に張ってある座席表を見て席へ座った。
「ねぇ!名前、なんてゆーの?」
明るい茶色の髪に大きな目。
誰が見ても美人だというだろう。
「あっ、黒崎美亜ですっ。」
「あたしは川野柚。柚でいいよ。」
「あたしも美亜でいいよっ!」
先生が来るまで柚と話をしていた。
柚は話しやすくてすぐ打ち解けられた。
――ガラッ…
「はーい、静かに~。一年間このクラスを担当します。
田川理香です。よろしくね~。」
入ってきた先生は30代くらいの女の先生だった。