好きって言って?
第一章

高校一年生






暖かい春の日差しに包まれて


きれいなピンク色をした桜の花びらが舞う。





門をくぐる。







「…入学おめでとうございまーす。
新入生はクラスを見て教室に行ってくださーい。」





上級生からパンフレットを受け取り、掲示板へと向かう。










黒崎美亜…黒崎美亜…あった。2組だ。











黒崎 美亜。今日から高校生です。


















さっきもらったパンフレットを見ながら1-2へと
足を進める。






ドアの前で深く深呼吸をしてゆっくりとドアを開けた。











クラスに数人いた生徒が一瞬こちらを見る。





しかし皆、またすぐに視線を戻した。











黒板に張ってある座席表を見て席へ座った。









「ねぇ!名前、なんてゆーの?」




明るい茶色の髪に大きな目。

誰が見ても美人だというだろう。






「あっ、黒崎美亜ですっ。」







「あたしは川野柚。柚でいいよ。」








「あたしも美亜でいいよっ!」











先生が来るまで柚と話をしていた。



柚は話しやすくてすぐ打ち解けられた。


















――ガラッ…




「はーい、静かに~。一年間このクラスを担当します。
田川理香です。よろしくね~。」




入ってきた先生は30代くらいの女の先生だった。







< 1 / 8 >

この作品をシェア

pagetop