BABY×DOLL
「大体…どこの誰を連れてくるっていうのよ?」

私はキッパリ断る前に聞いてみた。

「俺達のビデオを買上げて販売してくれる人。その人に勧められてビデオを撮る事にしたんだけどさ…」

あぁ、そういう事だったのか。
どんなルートでビデオを売るのかなって思ってたんだよね…

「って事はさ…その人もビデオ見たって事よね?」

「そうだよ」

──誰かに確実に見られている…

そう考えると身体の奥から何か、変な気持ちが込み上げてくる。

ちょっと…正直やってもいいかなって気にもなっていた。

私って…ホントにヤラシイかも。
それでも羞恥心が働くのか…恥ずかしくて、すんなりOKできずに正己に質問していた。

「もし…もしもよ?仮に三人でやるとしたら、その分お金は貰えるの?」

「もちろん。倍以上は出すよ」

「もしかして、その人、病院に来てるとか?」

「近くには来てるよ。連絡すれば来てくれるはずだ」

「ふーん…」

何もかも、準備は済んでるってわけね。

後は私が了承するかどうか…

迷っている私を抱き寄せ正己は言った。

「頼むよ…もっと楽しい事しよ?」

私は何度、この男にお願いされるのか──

「いいよ…」
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