BABY×DOLL
正己の唇の感触に驚いた…

初めて知ったの
彼の唇。

身体は何もかも知ってる。どんなトコをどんな風に攻めればヨがるのか…

どんな顔してイくのかは知っていたのに

キスする事は知らなかったから

何故か私はドキドキした。

初めての唇に、どんなキスをしたらいいのかわからない…

「…!止せ…っ!」

そう言って正己に嫌がられ、私達は唇を離した。

正己は唇を拭いながら困惑した顔をさせ言った。

「…何で…何でキスなんかした!?」

「ダメなの?」

「そんなの分かってるだろ!」

「キスくらい何だっていうの?それにハッキリとキスしないなんて約束したワケじゃないわよ!」

「そうだけど…それくらい判れよ!もういい…今日は帰れ!」

「正己…?」

突然、怒り出した彼に私の方が困惑した。
こんな正己…見た事ない。

「早く帰れって。今日は気分が萎えたから」

冷たい彼の態度に私もキレ気味になって、素っ気なく答えた。

「あっそ…」

少し乱れた服を整え、私はバックを乱暴に掴み部屋から出ていった。



私だって怒っていた。いつもより歩幅も広く体重をかけて歩いて、正己の態度を思い出す度にムカついていた。
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