BABY×DOLL
「え…?何…」

「別れようって言ったんだ」

「ちょっ…ちょっと待って。別れるって?それにこのお金は何?」

いきなり、そんな話しをされて私は慌ててしまっていた。

別れる…?セフレをやめるって事?

かなり動揺してる。

落ち着いて──話しをしなきゃ…

「…手切れ金だよ」

「手切れ金!?いきなり何なの?この前の事が原因ってワケ?」

「違うよ。でも、とにかく終わりにしたいんだ…300万じゃ足りないか?」

「別れるも何も…私達、付き合ってた訳ではないのよ?お金をもらう意味がわかんないわ」

正己はグラスの中の酒を一気に飲み干し、私の顔は見ずに…うつ向いて答えた。

「…妻にバレたんだ…俺達の関係。離婚なんて事になったら病院は俺のモノじゃなくなる。だから…琉嘉、病院を辞めてくれ」

「…は?!」

私は頭が真っ白になって…

いや…いきなりな話しに頭の中はパンク寸前だった。

「ちゃんと退職金は別に払うし、次の職場もウチの方で探すから」

「…だから…お金って事?バカにしないでよ!」

私は自分のカクテルを正己に向かって、ブチ撒けた。

「…じゃあ慰謝料として貰っておくわよ!」
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