BABY×DOLL
私はお金の入った封筒を掴み言った。

「…」

「それで満足なんでしょ?!それとね、仕事くらい自分で探すわ!」

「…分かった。今月いっぱいで辞めてくれな」

「分かってるわよ!せいぜい妻と病院を大事にしてればいいわ!」

私は彼に捨て科白を吐き店を飛び出した。

ムカついて、何かに八つ当たりしたいわ!
あーっ!!腹立つ!

何なの!?
何で私がクビに?

やっぱり自己チューな男なのね!分かっていたけど、今回ばかりは許せない!

仕事はそれなりにヤリガイもあったし、長く続ける気もあったのに、こんなカタチで辞めなきゃならないなんて酷いよ…!

彼の言葉がショックでもあった。

別れる事は別にいい…





──ホントに?




苛立ちながら歩く足を止めて…考えた。

彼と離れる事に
私、抵抗してた…?

お金で片付けようとした正己の言葉がショックだった。

'所詮、その程度の関係なんだ'

…そう感じた。

そりゃそうよ。セフレだもん。お金貰えるだけでもいいハズよ?

私…何故、こんなにショックを受けてるの?

そこに愛なんて存在しなかったハズなのに…

離れてみて初めて自覚した。


私…好きだったの?
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