BABY×DOLL
手が汗ばんで、指の先が冷たくなってきた。
緊張してる…
物音を立てないように気をつけなくちゃ。
新生児室はナースセンターから近くて窓から廊下に向かって顔を出せば部屋が少し見えてしまう…
私は靴を脱いで部屋に近づき、ドアノブにそっと手をかけた。
息を止め…ゆっくりと回す。
「………ッ……ン」
金属が擦れる微かな音でさえも暗闇に響き渡る気がして、私は心臓が止まりそうだった。
少しドアを開き数秒待つ。ナースセンターから誰も顔を出さないのを確認し、気配を殺しながら私は新生児室へと滑り込んだ。
…ドクッ
ドクッ
ドクッ
ドクッ…
この心臓の力強い鼓動でさえも空気を振動させて、外に音を伝えそうだ…
静かに小林仁奈の子供が眠るベッドへ近づいた。
部屋は暗く、遠くの微かに光る非常口の緑のランプしかない中でも
『彼』の表情を見る事が出来た。
お腹いっぱいになったせいなのか、幸せそうな顔をして深く眠っている…
名前のプレートもぼんやりだけど…確認できる。
親となった彼らは生まれる前から、この愛息子に名前を決めていたようだ。
『森島 龍之介』
それが彼の名前。
緊張してる…
物音を立てないように気をつけなくちゃ。
新生児室はナースセンターから近くて窓から廊下に向かって顔を出せば部屋が少し見えてしまう…
私は靴を脱いで部屋に近づき、ドアノブにそっと手をかけた。
息を止め…ゆっくりと回す。
「………ッ……ン」
金属が擦れる微かな音でさえも暗闇に響き渡る気がして、私は心臓が止まりそうだった。
少しドアを開き数秒待つ。ナースセンターから誰も顔を出さないのを確認し、気配を殺しながら私は新生児室へと滑り込んだ。
…ドクッ
ドクッ
ドクッ
ドクッ…
この心臓の力強い鼓動でさえも空気を振動させて、外に音を伝えそうだ…
静かに小林仁奈の子供が眠るベッドへ近づいた。
部屋は暗く、遠くの微かに光る非常口の緑のランプしかない中でも
『彼』の表情を見る事が出来た。
お腹いっぱいになったせいなのか、幸せそうな顔をして深く眠っている…
名前のプレートもぼんやりだけど…確認できる。
親となった彼らは生まれる前から、この愛息子に名前を決めていたようだ。
『森島 龍之介』
それが彼の名前。