BABY×DOLL
できればもっと大きな駅で降りたかった。

その方が目立たないから。だけど今はそんな事言ってられない!

強制的に降りた小さな駅は降りる人も乗る人もあまりいなかった。

時間的に通勤時間に近いせいだろうか?これでも乗り降りがある方なんだろうなって思った。

それだけが唯一の救い。

仕方ない…琉嘉の言う通り、ここで赤ちゃんにミルクを飲ませ
あたしは着替える事にしよう。

この後の上り電車の時間を確認してから、あたしは急いでトイレに向かった。

都合よくトイレも空いていて、運よく洋式の個室に入る事が出来た。

バッグを開けて中に光を入れると、やっぱり赤ちゃんは目をパッチリ開けていた。

「…おはよ」

赤ちゃんと目が合うと、つい笑顔を作ってしまうのは何故なんだろう?

「ゴメンね、お腹すいたよね?」

小さな声で話しかけながら琉嘉が準備してくれたミルクを作る。

でも初めてで…上手く出来たかわかんない。

これで平気?
…ホントに飲めるのかな?

琉嘉が書いてくれた通りに作った気はするけれど…自信がない。

ママになったら
自分の子供だったら…こんな事で戸惑ったりしないのかな…?

「んぁぁーん…ぁぁーん」
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