BABY×DOLL
警察に聞かれそうな事や、それに対してどう答えた方がいいか・とか頭の中でシュミレーションしていた間に

警察は素早く病院へやってきた。

『誘拐』って可能性がある事からパトカーではなくフクメンで。私服の刑事らしき人達。

誘拐には違いないけどね…営利目的でも殺害目的でもない。ただの怨恨だから。

正己は…院長として森島さん──小林仁奈──の所へ行き、赤ちゃんが居なくなった事を説明していた。

いきなり刑事と院長が赤ちゃんの失踪を告げたのだから…彼女のショックは大きかった。

「嘘…」

「申し訳ありません…我々も院内は探したのですが…」

正己と、早朝に呼び出された副院長と、看護師の私達が深々と頭を下げた。

「嘘でしょ…あの子はどこに行ったの!?ねぇ、誘拐されたの?!」

「わかりません…警察に通報し、とりあえず来てもらいました…が」

犯人から連絡があるわけでもない。
正直、病院側からは打つ手がないという状態だ。

ただ謝る事しか出来ない。

「どういう事よ!セキュリティしっかりしてる病院だったんじゃないの!?龍之介を返してよ…!貴方達は何をしてたのよ?!」

彼女は事態を把握できたのか、取り乱し始めた。
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