BABY×DOLL
あたしの電話に琉嘉は驚かなかった。

病院では…もう大変な騒ぎになっていたらしい。
琉嘉も心なしか、ちょっとイライラしていたようだった。

とりあえず一時間したら琉嘉が帰ってくる…これから、っていうか龍之介を返す方法を考えなきゃ。

琉嘉に全てを考えてもらうのは悪いし…
だからと言って、あたしに良い案が浮かぶ訳もなく。

このまま、あたしの子供として育ててみる?

…なんてね。
無理。

たった二、三日でもこんなに大変なのに…!ずっとなんて考えられないよ。

あたしの…仕事だって、この先どうなるかわかんないのに。





「RRRR♪…」

携帯の着信音が鳴った。琉嘉からだと思って画面を見ると…それは着信で

知らない番号からだった。

間違え電話…?

携帯で間違えって珍しいような気がした。そのまま無視しようかと思ったけど…

やっぱり、あたし宛の電話じゃないかと思って電話に出た。

「も…もしもし?」

「あ!えっと…」

長く呼び出し音を鳴らしていて、あたしが出たもんだから相手はビックリした様子だった。

だけど声は…誰だか分からない。


「僕を覚えてるかな?あの時の駅員なんだけど…」
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