BABY×DOLL
「…え?」

電話を持つ手が緊張した。
もちろん…すぐに相手が誰かは分かったけど、頭の中は一瞬にしてパニックになる!

どうしてこの電話の番号がわかったの?

何故、電話をかけてきたの?

あのニュースが流れたから?

あたしが犯人だと疑ってるの?

『あれ?中森セリカさんですよね?』

そう確認されて、あたしは即座に否定した。

「違います!」

そして一方的に電話を切った。

…どうしよう、電話切ったのヤバかったかな?

コレが元で…彼がマスコミに情報を流したら…?

そんな事ばかり、頭に浮かんで離れなかった。

そして、また電話が鳴る。

また同じ番号。

…とりあえず彼の用件を聞かなきゃダメかな?それで交渉するしかない…いざとなったら口止め料を払う事も考えて

あたしは恐る恐る電話に出た。

「…はい…」

『やっぱり間違えてないよね?中森さんでしょ?』

「貴方の事は覚えてるわ!でも…何の用件ですか?何故、この番号がわかったの?マスコミに売る気?」

『イヤイヤ!ちょっと待って!僕はキミの落とし物を拾ったんだ!ピンクの手帳。これ中森さんのだろ?』

「え…」
< 235 / 408 >

この作品をシェア

pagetop