BABY×DOLL
〈話しを…〉

そう言われてドキッっとした。

やっぱり…赤ちゃん連れてた事かな?
おかしいって思うよね?!彼にはあたしの正体がバレてるし

しかもあのニュース…

落とした手帳の中には虎之介との事が書いてあった。

それを読んでいれば…ううん、絶対読んでるよね?

脅迫とかされるのかも。琉嘉には言えない…

だけど琉嘉が休みの日に、龍之介を預けて行かなきゃならないし。

今すぐにでも取りに行きたいのを我慢して、あたしは彼と約束を交わした。

「悪いけど…明日すぐには無理なの。木曜日でもいい?」

『明明後日か。いいよ、大丈夫。じゃあ待ってるよ』

まるでデートの約束みたいに、彼は軽い感じで電話を切った。

…あたしが芸能人だって分かってんのかな?

まるで普通だったわ…

そんな事よりも!マジどうしよう!
手帳…手帳なんか買うんじゃなかった!

あんな虎との思い出を記した手帳を何で持ち歩いてたの?
早く…捨てれば良かったのに

彼との出会いから全てが後悔の連続。
何もかも間違っていたと思うし

もう、涙も出ない。


「ぁあーん!ふぁあーん!」

龍之介がまた泣き出した。
あたしは…近寄る事が出来なかった。
< 237 / 408 >

この作品をシェア

pagetop