BABY×DOLL
──世の中、信じられる人はどれくらいいるの?

誰を信じて生きればいいのかわからない

何を信じて生きればいいのかわからない

この世で最も愛した人でさえ簡単に裏切るの

母親ですら信じられない

琉嘉だって…いつ、あたしを裏切るかわからない

だからこの人だって疑ってなきゃならない。

これでもあたしは特殊な世界で一生懸命生きてるのに…『普通の人』にバカにされた!

そんな色々な思いが爆発し、あたしは…言ってはならない事を言ってしまった…

彼は驚いて、あたしの両腕を掴み聞いた。

「中絶…!?どういう事だ?この前の赤ん坊はキミの子じゃないのか?!」

「…!!」

「僕はてっきり…あの子はキミが産んだんだと思ってた!あの手帳には妊娠した事が書いてあったし、時期もピッタリだ」




   しまった…!



あたしの失言を訂正するにはもう遅かった。彼は勘が良すぎる!

「森島虎之介は別の女と結婚を決めたから…キミは一人で子供を産んで育てる事にしたんだと思ってた!だから僕はキミを応援しようと思ってたんだ!」

「いや…あの…」

「じゃあ、あの赤ん坊は誰の子なんだ!?ま、まさか…森島虎之介の…?!」
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