BABY×DOLL
橋本ちゃんは──それがどういう事なのか一応わかっていたらしく小声で言った。

「え…えぇっ?!」

私はビックリした。
何で…バレてんの??

私は一瞬、動揺を見せた。橋本ちゃんはまた楽しそうに勝手に予想しと聞いてきた。

「だから琉嘉なら知ってるんじゃないかと思って。まさか…アンタのアパートに居るんじゃないでしょうね!」

「な、何言ってんのよ!ってか、院長と私が付き合ってる!?あり得ないわよ!」

「あら!だって…」

意味深に彼女は言葉を濁した。
私は彼女の誘導に引っかかってしまいそうだった。

「何よ?誰かが言ってたの?」

「そうじゃないけど…琉嘉、あっちの院長室に何度か行ってたでしょ」

…ドキッとした。

あんなに注意して正己の部屋に行ってたのに、目撃者がいた──って事?

今までの私の行動も、必ず目撃者がいたのかもしれない…?

私は急に怖くなった。

とりあえず、彼女にホントの事は言えない。彼女に知られたら…病院中にバレるのと同じだもの。

私は否定を繰り返した。

「なによそれ!私、院長室なんて行かないわよ!用事ないもの。他の人と見間違えたんじゃない?橋本ちゃんが私を見たの?」
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