BABY×DOLL
「アタシが見たわけじゃないけど…」

「そうでしょ?私じゃないもん!大体誰がそんな事を?」

「うーん…誰が・ってワケじゃないんだけどね」

それ以上彼女は言わなかった。

普段は人の噂話を平気でするクセに妙なトコで口が堅いんだから!

ホント、油断できない人だわ。

私もそれ以上、聞かなかった。
あんまりしつこいと、ムダに疑われそうだし。

「琉嘉だと思ったのになぁ…残念」

「バカ言ってないで。仕事しましょ」

そう言って私は彼女から離れた。

彼女は人から話しを聞くのが上手い。
これ以上話しをすると私もボロを出してしまいそうだし…

情報は仕入れたいけど、彼女とは少し距離をおかなきゃ。

そう思った。


知りたい情報…彼女の言う事が、ただの空想などではなく

実際に誰か目撃者がいたのだとしたら──

いや…一度か二度は目撃されてるのよね?

私達がSEXしてたのもバレてるのかしら?

それに…龍之介を連れ出したのも誰かに見られていたら?

そう思うと
警察に目をつけられてるんじゃないかと思って緊張した。

大丈夫…だと思うんだけど

犯人だと思われてるなら、もう捕まってるはずよね?


ドクン…ドクン
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