BABY×DOLL
「院長は仕事で一日外出してるわよ」
「あぁ、そうでしたか。今日は見かけないって他の人達が言っていたので」
「彼も今は忙しいのよね」
「そうですね。あ、じゃ私はこれで」
「はい。さようなら。あ、わかってると思うけどマスコミに何か聞かれても何も話さないでね」
「はい」
私は院長室をあとにした。
…別に正己が何をしてても構わないんだけどね。
でもどういう事なのか聞きたい。
彼が私にした話しと全然違うし!
彼は『妻にバレた』からと言って私に別れ話をしてきたのに。
正己が一体何を考えていたのかわからない…
嘘だったの?
私が嫌いになったから?ただ単に私と別れたかったのかしら?
それがわからなきゃ、私は何の為に龍之介を連れ出したのかも解らなくなる。
最初の理由はそれが一番だったから。
正己に問いただすのが一番早いのだけど──彼に電話をしたくはなかった。
番号は今も私の携帯の中にメモリーされてる。
メアドだって残してあるの。
結局、消せないでいた番号。
でも二度と使わないだろうと思っていた番号。
心の中に出来た霧のようなモヤモヤを抱えたまま、私は二人の待つマンションへと急いで帰った。
「あぁ、そうでしたか。今日は見かけないって他の人達が言っていたので」
「彼も今は忙しいのよね」
「そうですね。あ、じゃ私はこれで」
「はい。さようなら。あ、わかってると思うけどマスコミに何か聞かれても何も話さないでね」
「はい」
私は院長室をあとにした。
…別に正己が何をしてても構わないんだけどね。
でもどういう事なのか聞きたい。
彼が私にした話しと全然違うし!
彼は『妻にバレた』からと言って私に別れ話をしてきたのに。
正己が一体何を考えていたのかわからない…
嘘だったの?
私が嫌いになったから?ただ単に私と別れたかったのかしら?
それがわからなきゃ、私は何の為に龍之介を連れ出したのかも解らなくなる。
最初の理由はそれが一番だったから。
正己に問いただすのが一番早いのだけど──彼に電話をしたくはなかった。
番号は今も私の携帯の中にメモリーされてる。
メアドだって残してあるの。
結局、消せないでいた番号。
でも二度と使わないだろうと思っていた番号。
心の中に出来た霧のようなモヤモヤを抱えたまま、私は二人の待つマンションへと急いで帰った。