BABY×DOLL
家に帰って龍之介の様子を見て、ようやく私はホッとする。

セリカを信用してないワケじゃないわよ?
でも心配で…

だって、あの子慣れてないし。頼りなさそうだし。

でも、苦労してるだろうけど特に問題なさそうだ。

龍之介ノートを見ても大丈夫そうだし。

「セリカ、別に何にもなかったわよね?」

「何にもないよ。テレビがあるわけじゃないからワイドショーとかも気にならないし」

「そうよね」

「ね、琉嘉!病院は今日もマスコミ来てた?」

「結構来てたみたいね。中にまでは入れないから私はわかんないけど」

「ふーん…」

そう言うと…セリカは何かを聞きたそうな顔をさせてた。

「何?」

「あの、ね…虎之介は病院に来てるの…?」

──そのうち聞かれると思ってた。

彼女が一番気になるのは虎之介の気持ち。
それはわかるんだけど

ちょっと言いにくい。

でも、私が適当に話を作ったってしょうがない。少し迷って、私は虎之介の来院状態と
私から見た彼の雰囲気なんかを伝えた。

「毎日来てるわよ。でも多分仕事の合間とか、仕事が終わってからね」

「どんな様子?」

「私が見た限り…不自然なくらい冷静に見えるの」
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