BABY×DOLL
何てことない人物からの電話。
不在着信の相手は、おばぁちゃんだった。

そういえば一ヶ月くらい連絡してなかった。

いや!それよりも私はおばぁちゃんに聞きたい事があったんだ!

私は歩きながら
おばぁちゃんに電話した。

「RRRRR…」

何度も呼び鈴を鳴らしてようやくおばぁちゃんが出る。

「おばぁちゃん?私!琉嘉だけど」

『琉嘉!どうしたのよ?最近全然連絡よこさないで。こっちに帰ってもこないし…』

おばぁちゃんは用件よりも、まずその事を聞いてきた。

そりゃそうよね。
たった一人の孫だし。
おばぁちゃん一人暮らしなんだもの。私が考えてるよりもずっと寂しいに違いない

──って事はわかってるんだけどね…。

とりあえず私は謝った。

「ゴメンね。ちょっと忙しかったから。あ!お金、先月送っておいたよ?」

『ありがとう…あなただって一人暮らしなんだからそんなに送らなくていいのよ?』

「大丈夫。送れる範囲で送ってるんだから。それより何か他に用事でもあった?」

『そうそう!テレビ見てたら琉嘉の病院が出てて驚いたのよ!大変な事になってるのね』

そうか、ニュース見たんだ。

「でも仕事はいつも通りだから」
< 279 / 408 >

この作品をシェア

pagetop