BABY×DOLL
【第五章】

〈1〉終焉

ここ何日か落ち着いてきたって事が自分でもよくわかる。

ほんの数日前と、何が変わったのかな?

龍之介がミルクを飲んでくれるようになった事。

歌を歌うようになって…龍之介が泣き止むとわかった事。

そしたら龍之介がどんどん可愛く思えてきて、あの子が笑うと微笑み返すようになった事。

──鷺沼さんが毎日、来てくれた事…

大きく何かきっかけがあったわけじゃない。

ただ…少しの事から、全部の歯車が合ったみたいに、全てが良い方向へ向かっていた。

琉嘉もピリピリした感じはなくなった。その代わり、今まで以上に龍之介を可愛いがっていた。

このまま…今の状態が続くのなら、ずっと龍之介を育ててもいい。

あたしは本気。かなりその気になって龍之介との将来の事を考えていた。

なのに…


琉嘉の言葉に驚いた。

『そろそろ龍之介を帰そう』

あたしは即座に反対した。

なんでよ?
琉嘉だって龍之介を手放したくないように見えるよ?

あたしはね、やっぱり子供が欲しい。

龍之介と血の繋がりはないけど、もう愛情はあると思うの。

琉嘉とは、ほとんどケンカになったけど、ちょうどその時、鷺沼さんが来て話しは終わり。
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