BABY×DOLL
ちゃんと謝ろうって思ってたのに、心の準備もないまま琉嘉からの電話に出た。

「も、もしもし!?る、琉嘉どうしたの?」

…ちょっと慌てた。

でも琉嘉は少し興奮したように話だした。

「セリカ!聞いてよ!私思ったんだけど…」

「え、ち、ちょっと待って!」

このまま琉嘉に話しを進められたら、謝るタイミングを失う。そう思って強引に話しを止めた。

「何、どうしたの?」

「あの…怒ってる?あたし謝ろうと思ってて」

「あぁ、別に怒ってなんかないわよ?私の方こそゴメンね。セリカにだって言い分はあったわよね」

「あ、う…」

──先に謝られた…

どうしてあたしって、さっさと言わないんだろう?

それに少しヘコミながら、それでも素直に今の気持ち分、謝った。

「あたしの方こそゴメン…ワガママだったよね」

「ワガママ…か。全くないとは言えないわね」

「う…だから謝ってるんじゃない!子供みたいな事言って琉嘉を困らせたと思って反省したんだから!」

「そっか…うん…」

琉嘉は何か考えてた様子で答えた。

「そ、そういえば何か用があったんじゃないの?」

「うん。ねぇ、セリカは奇跡って信じる?」
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