BABY×DOLL
最初言っていた通りにしばらくは自宅謹慎。

それで良かった。
久しぶりにオフがもらえる事、実家でゆっくりできるんだと

少し考え方を変えて、悪い方向に考えないことにしよう。

だいたいのスケジュールを決めた後、社長は一息ついてお茶を飲んだ。

「これも不起訴になるから復帰できる話しなんだよ。まったく運が良かった」

「それってどうしてなんでしょうか」

法律の仕組みもわからない。どう考えたって…罪を犯してるのに、罰せられなくてもいいなんて。

「セリカは聞いてないのか?向こう側が──森島…と言うか、小林仁奈が訴えないと言ってきたんだ」

「…え!?」

「むしろ、『赤ちゃんを預かってもらっていた』と言い出して…私もワケがわからないのだが、子供も無事に戻り元気そうだったし

営利目的や殺害目的ではなかったという事でそうなったらしい」

「そんなの…ホントですか?普通に考えて、あり得ないですよね?」

「私にもわからんよ」

一体、どんな意味があってそんな事を?

龍之介をさらったあたし達を許せると言うのだろうか?

──話しがしたい

対話と謝罪を

「社長、小林仁奈にコンタクトを取る事は可能でしょうか?」
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