BABY×DOLL
もちろん約束が取れたと連絡がきた日から、緊張して眠れなかった。不思議とそういう時は眠くならなかった。



約束当日。遠藤さんが迎えに来てくれた。

もちろん実家まで。遠いのに来てくれたって事に感謝した。

今まではそんな事、思いもしなかったのに…なんて自己チュー女だったんだろうと思ってしまった。

車に乗り込み、彼女との約束の場所まで数時間。ずっと考え続けた。

彼女はどんな顔をしてるんだろう

どんな話しをしたらいいんだろう

何を言われるんだろう

──どんな言葉で謝ろう

いや、どんな言葉を選んでも、重要なのは気持ちなんだよね。

伝わるように、真剣に言うこと。

何度も何度も。

手が震えちゃうくらい緊張して、ようやくたどり着いた場所は

あるマンションの一室。

「遠藤さん…ここなの?」

「指定された場所はココって聞いてるわ。事務所の寮としての部屋なんですって。事務所やホテルじゃ人目につくからじゃないの?」

「そ、そっか」

向こうも騒ぎになりたくないのだろう。
あたしは周りに迷惑かけまくってるわね。

改めて反省しながら言った。


「じゃ行くわ」

「私は近くで時間を潰してるわね」
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