BABY×DOLL
案内されるまま、あたしは無言で中に入った。
寮と言ってたから、一通りの家具が揃っており、すぐにでも生活できそうな部屋。
リビングの長いソファには…
──龍之介が眠っていた。
「龍之介…!」
つい駆け寄りたくなる。懐かしい寝顔。もう顔も見れないと思っていたのに、彼女は連れて来てくれていた。
「ごめんなさい、さっき眠った所なの」
彼女の母親らしい言い方。
──そうよ、あたしは母親じゃないんだもの
そしてズキンと胸が痛くなる。
あたしは床に座り込み、頭を床に擦り付ける程に下げた。
「ごめんなさい…!龍之介を拐ったのは、あたしです。本当にすみませんでした」
彼女は何にも言わず、しばらく黙っていた。
その張りつめた空気が、呼吸すら許されない気がして、あたしは何も言えず頭を下げ続けるしかなかった。
多分、許してなんてもらえない
告訴しなかったのも、法であたしを裁くのではなく──直接償いをさせたかったからかもしれない。
あたしはそれを受け入れるしかない。
彼女には精神的苦痛を与え続けた。
一時でも龍之介の母親になりたいなんて本気で思う程に彼女を苦しめた…
「セリカさん…頭・上げてください」
寮と言ってたから、一通りの家具が揃っており、すぐにでも生活できそうな部屋。
リビングの長いソファには…
──龍之介が眠っていた。
「龍之介…!」
つい駆け寄りたくなる。懐かしい寝顔。もう顔も見れないと思っていたのに、彼女は連れて来てくれていた。
「ごめんなさい、さっき眠った所なの」
彼女の母親らしい言い方。
──そうよ、あたしは母親じゃないんだもの
そしてズキンと胸が痛くなる。
あたしは床に座り込み、頭を床に擦り付ける程に下げた。
「ごめんなさい…!龍之介を拐ったのは、あたしです。本当にすみませんでした」
彼女は何にも言わず、しばらく黙っていた。
その張りつめた空気が、呼吸すら許されない気がして、あたしは何も言えず頭を下げ続けるしかなかった。
多分、許してなんてもらえない
告訴しなかったのも、法であたしを裁くのではなく──直接償いをさせたかったからかもしれない。
あたしはそれを受け入れるしかない。
彼女には精神的苦痛を与え続けた。
一時でも龍之介の母親になりたいなんて本気で思う程に彼女を苦しめた…
「セリカさん…頭・上げてください」