BABY×DOLL
テレビの収録が終わると次の仕事が待っていた。

ホント、毎日よく働くなぁって自分でも感心しちゃうわ。

新曲を出した時はそのプロモーションに忙しくなり、そうじゃない時は曲作りやライブがあるし。

仕事がなくってもアイドルだったから自分を磨かなきゃならない。エステやネイル。サロンにも。

オフなんてあってないようなものだった。



普通の家庭で育った普通のあたし。
──15歳で応募したオーディションに合格。
女のコ、四人のユニット『tr@st』っていうグループで芸能界デビュー。

シングル連続五枚オリコン初登場一位を獲得。

17歳でグループを脱退。ソロで歌を出してブレイク。中高生の女のコの絶大な支持で歌姫として、今もなお日本のトップシンガーとして走り続けている──

「…と、まぁこんな感じでいいですか?」

サクセスストーリー的なモノを番組で企画したっていう事で、あたしは取材されていた。

こういうのは上手く創るのよね?
本人がいかにスゴいかを強調するためにね。

確かに経歴は合ってるけど…

「そうですね。ってか書き方がいいんですよね?これだとあたしがスゴい人みたいで結構恥ずかしいんですけど…」
< 4 / 408 >

この作品をシェア

pagetop