BABY×DOLL
何故、彼女が謝るのかがわからない。

もっとあたしを責めてくれたらいいのに

そう思いながら、彼女が一旦、席を立ちお茶をいれるのを見ていた。

熱いお湯を急須に注ぎながら、彼女は話しを続けた。

「DNAの鑑定結果が出たんです」

「聞いたわ」

「内容まで聞きましたか?」

「内容?龍之介が本当に貴女の子供だって証拠が出ただけなんでしょう?」

「えぇ…龍之介は私の血の繋がった子供です。だけど…虎之介さんと血縁関係がないことも証拠として残りました」

「──え?!」

い、今なんて…言った?

血縁関係が──ない?

「彼には似てないと思いませんでしたか?」

「わからない…どういう意味?!」

「龍之介は彼の子供じゃないんです」

そう言われて
あたしは頭が真っ白になった。

これはどういう事なんだろう?

彼女は…誰の子供を産んだの?

「虎之介さんとは…実は幼なじみでした。少し前、私には付き合ってる人がいて…その人の子供を身籠りました」

「それが…龍之介?」

「はい。でも結婚できる相手ではなかったんです。彼には…家庭がありました」

「不倫してたって事…?」

彼女はコクンと頷いた。
< 400 / 408 >

この作品をシェア

pagetop