BABY×DOLL
「今から…?」

突然の彼からの誘いにビックリした。

だってね、いつもあたしの方が会いたくなって…いつもワガママ言って会いに来てもらってたの!

それが彼の方からの誘いなんて!

『そう、今から。ダメ?明日早いの?』

「う、ううん!行くよ!」

今日はたまたま二人とも仕事が終わるのが早かったの。でも遠慮して

  〈会いたい〉

って言えなかった…
それが、こんなに嬉しい事もあるんだ?

待ち合わせ場所を決めて、いつものように支度して…あたしは虎の元へと向かった。

電話を切ってから約一時間後。
また虎と再会した。

待ち合わせて、虎を見つけるのも、素早く彼の車に乗り込むのも慣れてきた。

嬉しいな…顔見て話せるし…手を伸ばせば繋げる距離。

「久しぶり…」

「先週会ったじゃん?」

彼がクスリと笑った。

「これからホテルに行くの?」

「今日は違うよ」

「どこ行くつもり?」

「内緒」

「えー?教えてよ!」

「だから秘密なんだって!」

なかなか教えてくれない彼の運転で、夜の東京を走る。

やがて…あたしの目の前に見えてきたもの。遠くからでも存在感のある建物…



「東京タワー…?」
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