BABY×DOLL
「彼氏が出来て公表するのが悪いだなんて思いませんし、むしろ素敵じゃないですか」

「そう…かな?」

「私はそう思います」

彼女はハッキリと自分の意見を言った。
強い意思…信念がある子なのかもしれない。

…羨ましいと思った。

「あ、でも!あくまでも私の考えですよ?ただの自己中になるかもしれないし…」

「ううん、参考になった。ありがと」

誰かに聞いてみたかった。同じ職業の誰かに。

…友達がいれば聞けたし、相談だってできたのに。

仁奈ちゃんが…もしかしたら友達になれるかもしれないと思ったけど、まだまだ時間が必要だと思った。

あたしは…友達を作るのを少し躊躇っている。信用できるかどうか考える…最低ね。

友達ってそういうものじゃないってわかってるのに。


しばらく彼女と話しをして、彼女は帰っていった。
あたしも遠藤さんに部屋まで送られる。

疲れたけど仁奈ちゃんと話しができて良かった。ライブも楽しかったし。

虎とのこれからを考える事もできた。

この恋をどうするか

台本なんてないんだもの。自分で考えて決めなきゃね。

部屋に入ると同時に
携帯が鳴った。

慌てて画面を見ると
〈虎之介〉の文字。
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