BABY×DOLL
一瞬、彼も承諾してくれたのかと思ったのに、すぐにNG。

「…どうして?」

いつか公表するなら
それは今だっていいんじゃないの?

『オレは今、日本にいるわけじゃないし、映画撮ってるから…何か売名行為みたいな気がするしさ』

「売名行為?」

『映画の宣伝にもなりかねないよ。【中森セリカと付き合ってる男の映画】なんて事にでもなったりするかも』

「そんな見方される!?」

『あるよ。お前がどれだけ世の中に影響を与えるか、自分ではわかってないかもしれないけど、オレなんかよりスゴい売れてるし』

「虎だって!スゴいじゃないの!あたし達、フィールドが違うのよ?比べるような話しじゃないわ!」

『それにさ、オレこの映画はスゴくやりたくて頑張ってるんだ。だから何の話題もなしに…実力で成績を残したいと思ってる』

「あたしとの…交際宣言は邪魔になる?」

『そうじゃない!けど今はダメだって事。わかってくれないか?タイミングが重要だって言ってるんだ』

「…」

『セリカ、とにかくオレが帰ってから相談しよう。それまでガマンしててほしいんだ…ワガママ言ってゴメン』

「ううん…あたしの方こそゴメンね…」
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