BABY×DOLL
「セリカ?!ちょっと、どうしたの!?」

遠藤さんが慌てて駆け寄る。
楽屋で良かった…
他には誰もいなかったから。

あたしは誤魔化そうとして言った。

「大丈夫…ちょっと風邪気味みたい」

ご飯は、あまり食べてなかったから吐いた物も少なかったのに

そう言ったのが逆効果だったのか遠藤さんが言った言葉に驚いた。

「病院行きましょ!」

「ホント平気!病院行くほどじゃないよ!」

バレるのが怖くて必死に抵抗した。

「ダメよ!今インフルエンザが流行ってるんだから!早いうちに診てもらった方が仕事休まずに済むでしょ?」

そう言われては強く拒否できない…

もう彼女にバレるまでのカウントダウンが始まっていた。




病院に着いて…やっぱり医師に妊娠を疑われた。その他、一通り検査と診察を終えて

あたしは空いてる病室のベッドで休ませてもらっていた。

今頃…
遠藤さんが診察結果を聞いてるはずだ。

そして驚いて───あたしの部屋にスゴい剣幕で入ってきそう。

誰も居ない部屋で良かった。

もう遠藤さんには話すしかない…
もうウソもつけないし誤魔化せないよ



緊張しながら
彼女が来るのを待っていた。
< 80 / 408 >

この作品をシェア

pagetop