BABY×DOLL
緊張しすぎて…手は冷たくなっていった。




  「トントン」

病室のドアをノックする訪問者。あたしは布団を握り締めた。

返事をする声が出ない。

静かにドアが開き…静かに遠藤さんが入ってくる気配を感じた。

あたしは怖くてドアに背を向けたまま横になっていた。

しばらく沈黙が訪れて

やがて遠藤さんが口を開いた。


「…誰の子供?」

「…」

「妊娠してるなら、誰かと付き合ってたんでしょ?」

声に出して返事が出来ない代わりに小さく頷いた。

「どうして言わなかったの?どういう事かわかってんの?」

「…うん…」

「とりあえず…相手の男は誰?一般人?芸能人?」

──黙っていてもしょうがない。

「…」

「え?」

「森島…虎之介…」

「はぁっ?!」

もちろん驚くとは思ったけど…彼女の反応は異常だった。

「何言ってんの…!?セリカ!本気?本当に森島の子供なの?」

「本当よ…」

「待って…ちょっと待ってよ!あり得ない!」

「…どうして?」

返事の代わりに遠藤さんはTVの電源を入れた。

──映し出された映像

そこでは
虎之介が







仁奈ちゃんと〔でき婚〕会見をしていた…
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