さよならの向こう側

この前までは、大悟と一緒に帰る時間はすごく楽しくて、時間もあっという間にすぎてたのに…

「あぁ…じゃぁまた明日。」

「うん。」

そう言って手を振る。

玄関の扉を閉めると、涙が零れそうになって、必死で我慢した。

「七海?」

「ん?」

お母さんがリビングで手招きしていた。

「なに?」

リビングに入って鞄を置くと、椅子に座るよう言われた。

「堀田先生から電話があってね。」

堀田先生…顧問の先生だ。

「…九州からの推薦の話、何で相談してくれなかったの?」

いつになく真剣なお母さんの目線に反射的に目をそらした。

< 11 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop