さよならの向こう側
この前までは、大悟と一緒に帰る時間はすごく楽しくて、時間もあっという間にすぎてたのに…
「あぁ…じゃぁまた明日。」
「うん。」
そう言って手を振る。
玄関の扉を閉めると、涙が零れそうになって、必死で我慢した。
「七海?」
「ん?」
お母さんがリビングで手招きしていた。
「なに?」
リビングに入って鞄を置くと、椅子に座るよう言われた。
「堀田先生から電話があってね。」
堀田先生…顧問の先生だ。
「…九州からの推薦の話、何で相談してくれなかったの?」
いつになく真剣なお母さんの目線に反射的に目をそらした。