さよならの向こう側
「…自分の中で…答えが決まったら相談しようと思ってた。」
「そぅ…」
お母さんは少し悲しそうな目をして窓を眺めた。
「母さんは、七海がしたいようにしたらいいと思ってる。」
「…うん。」
「まだ、悩んでるの?」
「うん。」
「不安?」
「…うん。」
何となく、お母さんの目を見たら泣きそうな気がして俯いて答えた。
「…そっか。ゆっくり考えたらいいからね。」
涙が出そうになって、声が出なかった。
だから代わりに頷いて、心の中で“ありがとう”って呟いた。