さよならの向こう側
「お前なら、アメリカでも大丈夫だ。もうちょっと自信持ってもいいと思うぞ?」
アメリカ…?
何を言ってるんだろう…理解できない。
「自信は…あります。」
声しか聞こえないけど、今の大悟は絶対すごくまっすぐな目をしてる。
プロのテニスプレーヤーになりたいと、私に語ってくれたときと同じ目…
大悟がアメリカ留学を断るなんてありえない。
じゃぁ…何で迷ってるの?
「…浅見…か?」
先生の言葉に、大悟は何も言わなかった。
私…?
「3年、もしくはそれ以上の留学だからな…彼女が気になるのは分かるが…」
先生の呆れたような声が聞こえる。
…私が…
私が大悟の夢を邪魔してるんだ…
握った手が震えてるのが分かった。