さよならの向こう側
*Ⅰ*

「七海ー!大悟君、来てるわよー!」

「今行く!」

セーラー服に着替えながら急いで階段を下りる。

玄関に見えたのは大好きな人。

「おはよー大悟。ちょっと待ってね。」

「また寝坊かよ。」

そんなこと言いながらもちゃんといつも待ってくれる大悟が私は大好きだ。

急いで顔を洗って、髪を纏めて、食パンをかじりながら

「行ってきます!」

と家を出た。

「お待たせ。」

「ほら、遅刻するぞ。」

そう言って自転車の後ろに乗せてくれる。

付き合い始めてもう1年。

親にも学校にも公認の仲だ。

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