さよならの向こう側
*Ⅱ*
そんな私に柔道の推薦の話が来たのは夏休みが終わってすぐ。
「どうする?俺は、悪い話じゃないと思う。」
顧問の先生の真剣な顔。
私だって、悪い話じゃないと思ってる。
むしろ、すごくいい話だ。
でも…
「…すこし、考えさせて下さい…」
すぐに答えは出せなかった。
推薦が来たのは遠い九州の学校。
確かに、柔道は強い。
インターハイだって毎年出てる。
でも、そしたら寮に入らなきゃいけない。
知らない土地、知らない学校、知らない友達…
そんな中で私はやっていけるだろうか…