Desire of cherry blossoms
3日経ったその日、今日最後の授業が終わって1人で廊下を歩いていたらやけに騒がしい。


「なんなんだろ?」


不思議に思いながらただただ歩いていた。


「おいガキッ!イセルナはどこだ!?」
「わ―――――――――ッッ!すみません!すみませんッ!しっ…………知らない!知らないですッ!」
「クソッ!あいつどこ行きやがった……。電話にも出ねぇで!」
「すす…すみません………ッッ!」
「もういい!じゃあな!」


騒ぎの原因はゼファさんだった。おねぇさんの居場所を探してるんだ。 いきなり胸ぐら掴まれて怒鳴られたもんだから唖然としてしまった。悪いけど…………、ホントに私も知らないんだ。


「…………?…………………ひいッッ!」


ゼファさんに掴まれた襟元にふと目をやると 、血の痕がくっきりと残っていた…………。 やっぱり本当だったんだ。工作員は人を殺している。


「………私もおねぇさん探してみよ……」


あ………。でもおねぇさんも今日任務に出かけるって言ってなかったっけ?もう行っちゃったとかってないのかな?


広い本部の建物の中を1時間以上歩き回っても一向に見つらない。むしろゼファさんの姿も見えなくなった。 やっぱり…………、もう出かけちゃったのかもしれない。諦めかけた時だった。


「だから……嫌だってば……」
「バカ………声出すなよ。誰か来たらどうすんだよ?」


おねぇさんとゼファさんの声?よかった……。まだ行ってなかったんだ。この先は行き止まり。ほとんど人が来る事のない通路。こんなとこで…………


「━━━━━━━━━ッッ!」


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