Desire of cherry blossoms
「ちょ……ちょっと!あたしこれから食堂行くんだから!」
「飯は家で食え!家でッッ!」
「ゼファ!離してってば!」
「シュライクー。食堂行こうや」
「そうだな」
「あ!ちょっと待ってよ!あたしも行く!」
「ほら帰るぞ」
「なんでよ…………。バカ」


━━ガラガラガラ………


…………食堂へ行く軍人さんも私が乗ったエレベーターに乗ってしまった。き……気まずい……。そう思いつつも軍人さん達の話を盗み聞きしてしまった。


「まぁ〜!強引な王子様だこと!」
「うちの最終兵器拐ってっちゃったよ」
「あの節操無し、あれであいつのこと相当惚れ込んでるからな。案外俺達邪魔なんだろうな」
「今日のところはいいんじゃないか?同じ日に帰って来るのって珍しいんだろ?」
「………そうだなー。特にイセルナの奴最近はロングミッションに手出してるみたいだからな。ほとんど入れ違いらしいぞ」
「ロングってヤバイんだろ?」
「みたいだなー。報酬はいいが、リスクはかなりのもんらしい。噂だとな。ミッションの内容も本人以外には非公開……ってな」
「他にやる奴いないのか?」
「イセルナと工作員のボスくらいだろ。イセルナは自分から申し出たらしいし」
「あいつはやんないのかな?」
「さぁな。あの節操無しには興味ねぇよ。でも、行ってんじゃないのか?最近見かけないって言ってる事あるから」


やっぱり……… 。あの人だったんだ……。


綺麗な人……だったな。私なんかじゃ勝てっこないって最初から思ってたけど。………なんかもう無理だ。


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