hiding
私達は夕方まで喋って過ごした。菜々子が、『金魚すくいも射的も浴衣で』と言うから歩きながらただただ喋った。

私は未だに日差しに弱いから黒いフリルの日傘を差していた。

時々菜々子や紫陽君が暑ぃーと言って入ってきた。

「じゃあ私らは浴衣に着替えてくるから、男共は待ってな」

捨て台詞(?)を残した菜々子と共に、私は歩いて5分の菜々子の家に向かった。

「あら、薺菜ちゃんいらっしゃい」
「お久しぶりです」

春菜さんはいつ見ても若々しくて美人さんだ。

「薺菜ちゃん先に着替えちゃうか」

前日に置かせてもらっていた浴衣を持って春菜さんは微笑んだ。

春菜さんはワンピースを脱いで下着姿になった私を見て、一言。

「成長したわねぇ」
「はぁ…でも私去年から3ミリしか伸びてないですよ」
「あぁ、違うの。身長じゃなくて」

ここよ、と春菜さんは私の胸に触れた。

「ひゃっ!?」
「あはは、薺菜ちゃん真っ赤。食べちゃいたいわ」

春菜さん菜々子と同じ事言ってるぅぅ。
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