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「あっ……」

大きな光が私達を包んだ。少し遅れて大きな音が響く。

夜の空に火の花が咲いていた。

金色のシャワーのような花火。色とりどりのお花畑のような花火。どれも綺麗で輝いている。

「綺麗…」

そう呟く菜々子の手は、楠本さんの手にしっかり包まれていた。

少しだけ、いいな、なんて思ってしまう。

私はモンスターと手もまともに繋いだ事がなかった。いくら難がある人とはいえ、私は信じる事を恐れていた。

でも今は、無性に誰かと繋がっていたい。誰かの温もりを感じたいと思った。

私は1番近くにいた葵君のシャツの裾をそっと掴んだ。葵君は気付いて、私の手を優しく握ってくれた。

「じゃあこっちは僕が」

言うが早いか、空いている手は緋山君が包んでくれた。温かい手だった。

「狡い!!俺も!!」

紫陽君はいきなり後ろから抱き付いてきた。予想していたより優しく抱き締められて、擽ったくなった。

花火の光に包まれてながら、私は幸せな温もりにも包まれていた。
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