hiding
緋山君が気を利かせて日傘を差してくれているから、普通に立っていられた。
「あのね、今日は家には私独りなの。つまり、普通に玄関から入ってきても…」
「あぁぁぁ、もう止めて、俺ら超格好つけたのに超ダッサイじゃん!!」
必死な紫陽君に、バツの悪そうな緋山君に、顔を覆った葵君に、笑いを堪えて涙目の菜々子に、私は微笑んだ。
「皆、ありがとう…」
「薺菜は私達のお姫様なのよ。だからあんまり心配かけない事!」
「菜々子…」
「ま、部屋着ですっぴんの姫なんて萎えるけど…グハッ」
私は笑顔を崩さずに紫陽君に一発お見舞いした。
「なんか蚊がいたから…」
「今の時期いねえし!」
「じゃあ赤トンボ」
「殴っちゃ駄目だろ!」
やっぱり、楽しい。皆と一緒にいるのが大好き。
「ねぇ、薺菜さえ良ければ…その、私の家に来て」
「え…」
「私もう嫌よ、今回みたいな事。お母さんとは離れた方がいいわ」
「菜々子…ありがとう。でもね…」
逃げたら私は今までと変わらないの。心から笑いたいから、輝きたいから、だから私は。
「ちゃんと話してみる」
「あのね、今日は家には私独りなの。つまり、普通に玄関から入ってきても…」
「あぁぁぁ、もう止めて、俺ら超格好つけたのに超ダッサイじゃん!!」
必死な紫陽君に、バツの悪そうな緋山君に、顔を覆った葵君に、笑いを堪えて涙目の菜々子に、私は微笑んだ。
「皆、ありがとう…」
「薺菜は私達のお姫様なのよ。だからあんまり心配かけない事!」
「菜々子…」
「ま、部屋着ですっぴんの姫なんて萎えるけど…グハッ」
私は笑顔を崩さずに紫陽君に一発お見舞いした。
「なんか蚊がいたから…」
「今の時期いねえし!」
「じゃあ赤トンボ」
「殴っちゃ駄目だろ!」
やっぱり、楽しい。皆と一緒にいるのが大好き。
「ねぇ、薺菜さえ良ければ…その、私の家に来て」
「え…」
「私もう嫌よ、今回みたいな事。お母さんとは離れた方がいいわ」
「菜々子…ありがとう。でもね…」
逃げたら私は今までと変わらないの。心から笑いたいから、輝きたいから、だから私は。
「ちゃんと話してみる」