hiding
blue spring
子供の時。私が本当に小さい時、家族で行った遊園地。
母と姉は絶叫マシンへまっしぐら。
絶叫マシンを怖がった私は絶叫マシンが苦手な父と気球みたいなのに乗って。
どんどん上に上がって気球が止まった時に見えた景色。小さな人々、曇り空の隙間から零れる日差し、雲の合間の青空。
世界が止まっているようだった。魔法にかけられたみたいに幻想的で。世界は美しかった。
このままどこへも行ってしまいそうで、父の大きな手を掴んだ。温かい手が包んでくれた。
今、大好きな友達と、あの時と同じ景色を見ている。絶叫マシンを終えて多少バテてはいるが。
私はまだ繋いだままの葵君と紫陽君の手にぎゅっと力を込めた。返ってきた温もりは涙が出そうな程安心出来て。
あれから時が経って、多くの涙を流して、でもあの時と変わらず世界は美しく輝いていた。
「またいつか…皆で来たい」
「…薺菜がそう言うなら毎日でもいいけどな」
私は心から幸せで微笑む。この景色の中で私も少しは輝いていればいいと思った。
母と姉は絶叫マシンへまっしぐら。
絶叫マシンを怖がった私は絶叫マシンが苦手な父と気球みたいなのに乗って。
どんどん上に上がって気球が止まった時に見えた景色。小さな人々、曇り空の隙間から零れる日差し、雲の合間の青空。
世界が止まっているようだった。魔法にかけられたみたいに幻想的で。世界は美しかった。
このままどこへも行ってしまいそうで、父の大きな手を掴んだ。温かい手が包んでくれた。
今、大好きな友達と、あの時と同じ景色を見ている。絶叫マシンを終えて多少バテてはいるが。
私はまだ繋いだままの葵君と紫陽君の手にぎゅっと力を込めた。返ってきた温もりは涙が出そうな程安心出来て。
あれから時が経って、多くの涙を流して、でもあの時と変わらず世界は美しく輝いていた。
「またいつか…皆で来たい」
「…薺菜がそう言うなら毎日でもいいけどな」
私は心から幸せで微笑む。この景色の中で私も少しは輝いていればいいと思った。