hiding
私達は5人でぎゅうぎゅう詰めて並んで眠った。

皆といると本当に安心出来る。友達とか恋人って言うよりは、兄弟みたいなんだよね。

男子組は雪合戦で疲れたのか、揃って爆睡していた。布団をかけ直してやって、思わず笑みが零れる。

これじゃあ私がお姉さんだ。4人も個性的でキラキラして煩い弟がいて、私ってば大変だね。

冬の雪山の夜の寒さに小さく身震いする。

この寒さが過ぎれば、私達はそう頻繁には会えないだろう。少し、鼻の奥がツンとする。

泣くのはまだ早いか。4人の寝顔を見て、私は深く息を吐き出した。

翌朝。

「あ…!!宿代どうする?」
「あー、俺ら実は金はあったんだよね」
「へ?何ですと?」
「いやぁ、皆で一緒に泊まりたかっただけでして…」

そんな嬉しい事言ってくれたら、デートの邪魔だとか、もうどうでもいいよね。

蓮君も何だか皆と仲良くなったみたいだし。

「ふふ、じゃあ帰ろっか」

私達は皆で手を繋いで、仲の良い兄弟のように寄り添って帰った。
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