青蝶夢 *Ⅰ*
彼から、受け取った名刺には
社名が横文字で書かれていた。

「その髪、伸ばしてるの?
 バンドか何かしてるの?
 さっきから、君の事
 見てたんだけど
 一緒にいた人達は
 バンド仲間?」

質問ばっかり・・・

二人が待ってるのに・・・

困る私。

「もしかして
 彼氏だったりして?」

「違います
 彼氏じゃありません」

私の声に驚く、男性。

「君、女の子なのか?」

「はい」

買い物籠の中には
口紅に、ファンデーション
生理用品・・・

「てっきり
 男の子かと思ったよ
 女の子にしては
 背、あるよね?
 それに、その上着・・・
 君の、中世的な魅力に
 惹かれたんだけど
 女の子なのかぁ、残念だな
 ・・・」
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