青蝶夢 *Ⅰ*
ここへ来た私は
素直に、涙を流す事が
できるようになっていた。

飛鳥に、さよならを
告げることを、本当に
辛く、悲しいと思った。

逢えなくなる事を
心から、寂しいと思った。

私は、変わった・・・

何も感じない、私は

もう、どこにもいない。

幸せな時間・・・

私の心は、動き出す。

動く心は

貴方を求める。

部屋の中

買って来た荷物を全て
片付け終えた、私は

ベッドの上に脱いだまま
置かれている、芳野さんに
借りた上着を見つめた。

『帰ったら、片付け
 手伝えよ』

私は、その言葉を思い出し
借りたコートを手に取り
部屋を出る。
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