青蝶夢 *Ⅰ*
マンションの下

携帯電話を手に持ち
操作する人がいた。

その人は、芳野さん?

繋ぐ手が放れた・・・

その手を放したのは

伊吹さん。

「カヤノ
 
 帰ってたのか?」

「イブキ、ただいま」

「おかえり」
 
愛しい女性を抱きしめる
貴方の腕。

その腕の中で、芳野さんに
そっくりな横顔を持つ女性
は、瞳を閉じた。

私には、伊吹さんが

芳野さんを

抱きしめているように見えた。

お似合いの二人・・・
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