青蝶夢 *Ⅰ*
冷たく、冷めた瞳で

彼女は言う。

「あの子は
 貴方の、何?」

彼女の瞳が、伊吹さんを
見つめる。

「彼女は、ヒイロ
 俺の従兄妹で
 今、一緒に
 暮らしているんだ」

「二人で?」

「いや、ヨシノも
 一緒に住んでる」

「ヨシノも・・・
 どうして?」

「詳しい事は、これから
 部屋で話すよ
 行こう」

肩を抱く伊吹さんの
耳元で彼女は

甘えた声で、囁く。

「イブキと
 二人っきりになりたい
 話は、私の家で聞くわ
 一緒に行こう
 ねえ、いいでしょう?」

大胆な彼女の言葉が
私にも聞こえた。
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