青蝶夢 *Ⅰ*
「ヒイロ、俺
 部屋で持ち帰った仕事
 の続きしてるから
 お前、先に風呂入れよ」

「はい
 そうさせて頂きます」

「あのさ、いい加減
 その他人行儀な言葉
 やめにしないか
 
 同居人だろう、俺達?
 堅苦しいのはやめにしよう
 昔みたいに、話せばいい」

「はい・・・」

部屋へ戻ろうとした伊吹さんに
私は、思い切って聞いてみた。

「イブキさん・・・
 あの、カヤノさんとは・・」

「ああ、アイツなら
 フライトで
 今頃、シンガポール
 じゃないかな?」

「フライト?」

「ああ
 キャビンアテンダントって
 言うのか、それ・・・
 だから、忙しい時は
 なかなか会えない」
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